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舩井幸雄先生の思い出22

2017/06/27/(火)

 「全てのことは起こるべくして起こっています。森羅万象、あらゆることが必然、必要だから生起し、必然必要だから消滅していきます。それが人間の目にどう映ろうと心にどう感じられようと、この世にムダなもの不要など一つもありません。これは抗いがたい世界の仕組みであり、宇宙の定理です。だから人が死ぬのも必然です。」

と舩井先生は何回も何回も言われました。それも確信に満ちた言葉で。これを正しいとするなら、世の中の悪、大きな不幸な出来事、争い、テロ、さらには戦争、個人の身の上に起こった病気、別れ、様々なトラブルもまた「必然、必要、でベスト」ということになります。これを何とか肯定して人生を歩んでいくのか、そんなことはないと否定して生きていくのか大きな岐路となるようです。


 まず個人のレベルと社会また人類レベル、過去の出来事と現在または近い将来のことを分けて考えてみたい。自分の人生の中で、辛かったこと、腹の立ったこと、恥ずかしかったこと、失敗、四苦八苦のない人はいません。それらが「必然、必要、そしてベスト」であったか検討してみると、ベストと思えなくても何とか必要で必然であったと思えること、全くそう思いたくないことがあります。必然、必要と思いたくないことほどトラウマとなっています。思い出したくもないのに浮かんでくる、忘れたいのに深い部分に滓や澱のように残っていることに気づいてきます。このネガティブ感情を伴う記憶をどうするのか、抑圧して見ないようにする。忘れたふりをする。これも一つの適応の方法でしょう。しかし抑圧し忘れたふりをすることには心の力が必要です。そしてそんな記憶が増えるほど、心の風通しが悪くなり、重たい荷物をいつも担いでいるようになります。五つの病因論の中で物質的原因に対してはかなり強力に対処できるようになりました。しかし、精神的ストレスこれをどうするのが本当に難しいのです。(つづく)