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舩井幸雄先生の思い出29

2017/07/25/(火)

 マクロの視点でがんを考える

 がんを発生した時点を越えて、時間をマクロの視点にするとは、超早期発見を目指すということになり、前回尿中ジアセチルスペルミンをガンマーカーとして見る話をしました。

 今回は、二、血中のがん由来の微量物質を検出する話」です。

以前より、この情報は医師の間では知られていたのですが、7月24日の読売新聞に「血液1滴、がん13種早期発見 1〜3年めど事業化」という記事が出ました。国立がん研究センターがこの新しい検査法の臨床研究を始めるとのこと。細胞から血液中の分泌される遺伝子の働きを調整する微小物質「マイクロRNA」を調べると、乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん、食道がん、肝臓がん、膵がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、胆道がん、骨軟部腫瘍、神経膠腫の13種類のがんでそれぞれ固有のマイクロRNAが特定できるのです。ジアセチルスペルミンはがんの種類は特定できなかったのですが、マイクロRNAではがんの種類が特定できることが大きな臨床上のメリットになります。実際に、鬼を含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できたと言われています。ウーン、これは大変なことだ。つまり、血液一滴で、どこのがんが疑わしいとなり、そこをCT、MRI、超音波などの画像診断を行うと95%以上がんの診断ができるというのです。

 どのような大変な将来がやってくるのでしょう。少し考えてみましょう。


 一、マイクロRNA→画像診断で無症状の多くの人にがんが発見されるでしょう。しかもその頻度は年齢が上がるにしたがって増えるでしょう。私は64歳ですが、60歳を超えると例えば60%以上の人にがんが存在するなどと予測できます。


 二、幸いに治療がうまくいっても、術後のフォローアップ中に再度、再々度、早期、超早期のがんが発見され、これにまた治療がはじまることになるでしょう。ここまでくると、がんの治療に対する、基本戦略(ストラテジー strategy)である早期発見、早期治療を見直さなければいけない日がいやおうなくやってくるでしょう。


 次回は、バイオレゾナンス医学では、癌治療のストラテジーをどう考えているのか述べてみます。