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クリーンアップメディスンが始まる2

2018/03/05/(月)

  青年医師の夢

 一人の青年医師がいました。彼は常日頃から、リウマチに苦しむ患者さんたちに重大な責任を感じていました。


「治らないと結婚できません」

「この注射をしていると、妊娠ができません」

「痛みで家事ができず家庭がおかしくなりそうです」

「夫婦で商売していますが、続けられそうもありません」

「薬の副作用で顔がむくんでしまい、外に出られません」


 リウマチ患者さんたちのこんな訴えを聞いているうちに、彼は考え込んでしまいました。症状を抑える薬を使って楽になってもらえるようになったけれど、このままでいいのだろうか。なんとか根本的にリウマチを治し、患者さんたちの日常生活を明るくしてあげたい。根本的に治すために、体の中で何が起きているのか、自分の目で確かめてみたいと思いました

 リウマチで傷んでいる関節では、リンパ球という本来自分の体を守るべき兵隊たちが自分の体を攻撃している。これは現代医学の常識です。だが、自分の兵隊たちが、なぜ自分の体を攻撃してしまうのか、その理由はまだよくわかっていません。

 どうして、そんな理にかなわないことが起こるのだろうか。青年医師は考え続けているうちに、いつの間にか眠ってしまいました。ふと気がつくと、彼はミクロ人間になって、リウマチ患者さんの体の中に潜り込んでいました。

 しかも、そこはどうやらリウマチの痛みを起こしている関節らしい。目を凝らすと、関節の表面を滑らかに保つ滑膜細胞に、リンパ球の兵隊がびっしりと貼りついて、細胞を殺すTNFという物質を放出しているのが見えます。

 そのせいで滑膜細胞は傷つき、毛細血管からは体液が滲み出している。青年医師はさっそく、指揮をとっている小隊長にこう聞いてみました。


「ちょっと、ちょっと、あなた方はどうして、自分たちが守るはずの味方の細胞を攻撃しているのですか?」


 小隊長が面倒くさそうに答えました。


「こいつらは味方なんかじゃないさ。ほらよく見てみろ。細胞の表面にも内面にも、ヘンなものをくっつけている。こんなものをくっつけているのは味方じゃない証拠だ」


「ヘンなもの?」


 青年医師が聞き返すと、小隊長は黒い小さな粒状の物を彼に示しました。青年医師が拡大鏡で見てみると、どうやら金属イオンのように思われました。小隊長が言うには、何でもこの黒い粒がついている細胞は「敵(異物)とみなし取り除くように」という命令が作戦本部から出ているのだそうです。

 青年医師はリウマチの原因が一つわかったような気がしました。そして「いい機会だから、もっと体の中を探検して、いろいろ調べてみよう」と思いました。

(「リウマチがここまで治った!」より/つづく)