記

記事詳細

クリーンアップメディスンが始まる3

2018/03/06/(火)

 正常な免疫活動を邪魔しているものは何?


 次に青年医師がやってきたところでは、前とは戦いの様子が違っていました。

 ひっきりなしに関節に入り込んでくる細菌の群れを、さっきのリンパ球とは別の好中球、貪食細胞という免疫細胞の兵隊たちが、細菌酵素を噴出したり、飛びかかって大きな口で飲み込んだりして殺している。


 「ああ、これは体にとって正常な防御活動だな」青年医師はそう思いました。ただ、大量に活性酸素が放出され、ここでも滑膜細胞が傷つけられています。


 青年医師は、この軍団の小隊長を見つけて、質問をぶつけてみました。

「お役目、ご苦労さんです。悪い細菌をやっつけるのはわかりますが、滑膜細胞は傷つけられてしまっていますね」


 小隊長は憮然とした表情でこう答えました。


 「この体が、風邪を引いたり、細菌がついた食物を食べると、血液に乗って細菌がウヨウヨやってくるんだ。細胞の外にいる菌はすぐわかるので殺しやすいのだが、遺伝子の中に潜り込むウイルスや忍者のように細胞の中にじっとかくれている細菌はやっつけにくい。全部処理するのは大変なんだ」


 突然、小隊長が小さく叫びました。


アッ、またかよ。参ったなあ。これをやられると俺たち動けなくなるんだ。細菌やウイルスが勝手にのさばりだしてしまうぞ」


 そこへ兵士たちもやってきて、「あ〜あ、これじゃあ応援も呼べないし、武器も使えなくなる。困るなぁ」と口々に嘆いています。


 何が起きたのかと、青年医師が彼らの視線の先を見てみると、薄いスモッグのような物が血液の中を漂っています。


 「あれはいったい何なのですか?」


 「この体の持ち主が薬として取り入れた抗炎症剤やステロイド剤だよ。これをやられると、われわれは元気に動き回れなくなる」


 小隊長は苦りきった顔でこう続けました。


 「もうしばらく我慢していてくれれば、我々が敵を始末できたのに。この体の持ち主は、いつもこうやって邪魔するんだから」


 「なるほど、あなたの気持ちはよくわかりますよ」


 青年医師がうなずくと、小隊長はこんなことを言いだしました。


 「でも、これくらいはまだいいほうなんだ。最近は我々の主力武器であるTNFを完全に無力化してしまう薬ができたらしい。それが体に入ってくると、体の中に潜んでいた結核菌が急に暴れだしたり、遺伝子が傷ついて、がん化し始めた細胞を排除できなくなる恐れがある。そんなことになったら大変だけど、どうやらそのような事態も体の他の部位では起きてきているらしい」

(「リウマチがここまで治った!」より/つづく)